第6回 喧嘩してでも押し通す「私の思い」は一割! 

 「戦略」ということばがあります。解釈が様々で明確な定義はよくわかりません。ここでは、城野宏先生の「脳力開発」による定義に従います。

 「戦略」とは、決心覚悟付の目標や目的、方針のことです。「これだけは、何がなんでもやり遂げる!」「これだけは、絶対に譲れない!」というときの「これだけは・・・」に当たるのが戦略といってよいでしょう。

 その戦略を達成するための手段や方法を「戦術」といいます。この戦術は状況に応じてどのようにも変わります。たとえば、「明日は健康のために会社へ歩いて行こうと思っていたら、ずうずうしい同僚が『足を怪我したので送ってくれ』というので車で行った。」みたいなことです。
 ここでは、仮に「会社へ行く」が戦略レベルの「私の思い」としましょう。そうすると、「歩いて行こう」「車で行った」が手段ですから戦術レベルの「私の思い」です。
 戦略レベルの「私の思い」は、何がなんでも押し通します。他人と衝突したら、自分の存在を掛けて戦わなくてはなりません。勝つか負けるかです。
 しかし、戦術レベルの「私の思い」なら、状況に合わせて相手に譲ってもいいのです。他人と衝突したら、少しくらい自分に不利であっても気持ちよく譲ってしまいましょう。

 会社の経営においても、私たち個人においても、この「これだけは・・・」に当たるものを持っています。それが企業戦略、人生戦略と直結していればよいのですが、右でも左でも白でも黒でも状況に応じてどちらでもいいことを「これだけは・・・」にしている会社や人が何と多いことでしょう。

 「これだけは・・・」という「決心覚悟付の思い」、戦略レベルの「私の思い」、それはせいぜい「私の思い」のうちの1割程度です。それ以上だと他人とあらゆる場面で衝突し、協力を得られなくなってしまいます。結果として、ぎすぎすした砂漠の人生になってしまうのです。

 もし、あなたが今、恋人や奥さん、御主人と喧嘩していて仲直りしたいのならば、「これだけは・・・」というところを「あいつとだけは、仲よく暮らしたい!」と言い換えて、あとは憎き「あいつ」に譲りましょう。「ただし、○○・・」という条件をつけるにしても1つだけです。劇的に状況は、改善するはずです。

 あなたが、新人研修に使うノートを10冊、部下に買ってきてもらったとします。そのノートを見てあなたが言います。「おい、きみ、このノートの表紙、青色じゃなくちゃだめだよ。罫線の幅は12ミリじゃなくちゃ。それから右上か下にページが入るやつで、片面は白紙のやつだよ、表紙にはほら、○○のデザインがあるやつ、・・・・さがせばあるよ。わかってないなぁ!何年やってるんだ!」
 部下は思うのです。「そんなものあるわけねえだろ。欲しけりゃあんたが買いに行けばいい。だいたいだな、そんな細かい条件があるなら自分で作れっていうの、アホ!!」
 笑い話ですが、実際にこのようなケースは多いのです。そうです。「何のために」というところと「これだけは必要」というところだけを明確に部下に納得させ、あとは部下に任せるという姿勢がより良い結果に向かうのです。
 上司はより「戦略的内容」で指示し、部下には「戦術的内容」を任せるのです。

 喧嘩してでも押し通す「私の思い」は、気持ちのうえで一割だけです。その一割は日頃から考え、感じ、思い描いていた「私の決心覚悟付の思い」のみです。あとは、相手に譲るくらいの気持ちでちょうどよいのです。
 「これだけは・・・」が多すぎる人は、自分自身の本当に大切な思いを知らない人です。一割に減らしましょう!
 「これだけは・・・」が少なすぎる人は、自分自身の本当に大切な思いを育まなかった人です。一割に増やしましょう!

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