理念・企業戦略
事業を起こされた経営者が、必ず通る道があります。それは、「生業から家業へ向かう道」そして「家業から企業へ向かう道」です。大企業の傘下にある企業ならいざ知らず、裸一貫から始めた方なら、その道の険しさと遠さに七転八倒の苦しみを味わったことでしょう。もっとも峠を越えれば、喜びもひとしおだと思いますが・・・。
個人事業として自分ひとりが頑張ればよかった時代、それは事業家人生の中では懐かしい生業の時代です。
そのうち事業が発展するに連れて会社組織に変更します。少しずつ社員も多くなって社員やその家族の人生も背負うことになります。まがりなりにも組織の体裁をとり自分が先頭に立ってがむしゃらに会社を引っ張って行く時代に入ります。これが家業の時代です。
そして、さらに事業を発展させようとしたとき、自分ひとりで引っ張る限界が見え始めます。自分自身の分身、いや同志といいますか経営パートナー的な任すに足りる人材の育成が急務であることに気づきます。同時に事業の永続性も真剣に考えなくてはならなくなります。
ここで明確な企業理念、企業戦略に基づいて組織的に活動できる体制作りが始まります。いよいよ企業化への道を歩み始めるのです。
さて、生業や家業が悪くて企業が良いと申し上げているのではありません。どれを選ぶかは経営者の考え方、生き方の問題です。たとえ生業、家業の域であってもきちんとした理念や戦略を持ち世の中に貢献しているすばらしい経営者はたくさんいらっしゃいます。
しかし、生業から家業、企業へとステージを移すということは、経営者としての意識改革を伴う大変な仕事であります。小なりといえども企業戦略を立て、存在理由としての企業理念を構築して社員をまとめられる強い人間力が試されるのです。
当所としてお手伝いできることは、「脳力開発」「突破のための人間学」に経営者の方が触れていただき、自ら企業理念、企業戦略を立てていただく、その後押しをすることだけです。